東レの赤澤大輔氏と森山正樹氏らは、国立感染研究所と共同で開発している培養細胞由来C型肝炎ウイルス(HCV)粒子ワクチンが中和抗体作製に有望なことを見いだし、09年10月の日本ウイルス学会で発表した。
このワクチンは国立感染研ウイルス2部の脇田隆字部長らが劇症肝炎から分離したJFH-1株より作製した。精製したHCV粒子をアジュバントMPL-TDM(研究中に使用されている)とともにマウスに免疫し、HCVエンベローブ蛋白質E1とE2に対する抗体を誘導するか検討した。
その結果、マウス血清中に抗E1およびE2抗体の誘導が確認された。またHCV粒子免疫マウスの血清には感染阻害が認められた。この感染阻害活性はジェノタイプ1a、1bのHCVppに対しても認められ、ジェノタイプによらない汎用性が示された。さらに抗血清よりIgGを精製し、そのIgGはインビトロでHCV感染を阻害した。「精製HCV粒子は中和抗体の作製に有望であり、汎用性ワクチンとしても使用できる可能性が示された」と述べた。現在、中和抗体のスクリーニングを行っている。
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