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2010年2月4日木曜日

厚労省健康局2010年度予算案で癌と肝炎対策費増

 厚労省健康局の2010年度予算案は、09年度当初比1.9%減の総額2953億5100万円となった。癌対策に09年度当初予算から33.3%増の316億円、肝炎対策には15.1%増の236億円を計上する一方、新型インフルエンザや生活習慣病対策は2割程度の減額となった。

 癌対策では、癌医療に携わる医療従事者の研修事業(2億円)、女性特有の癌検診推進事業(76億円)、癌医療の地域連携強化事業費(2.8億円)などを新設。癌専門医臨床研修モデル事業、癌検診受診率向上企業連携推進事業は増額する。
 
 肝炎対策費236億円のうち、肝炎治療促進のための環境整備として180億円を計上した。これまでインターフェロン治療のみだった医療費助成の対象に、核酸アナログ製剤治療を追加し、自己負担を原則1万円(世帯当たりの市町村民税の年額が23万5000円以上の人は2万円)に引き下げる。また過去のインターフェロン治療で医療費助成を受けた人でも、医学的条件に合致すれば、2回目の医療費助成制度の利用を認める。

 新型インフルエンザ対策費は19.4%減の116億円。新型インフルエンザ患者を一般医療機関でも受け入れられるよう、新型インフルエンザ患者入院医療機関施設・設備整備事業、感染症外来協力医療機関設備整備事業の費用を計上した。新型インフルエンザ患者を受け入れる医療機関で必要となる人工呼吸器や空気清浄機などの設備費用への補助は継続する。また、生活習慣病対策費が25.4%減の44億円となったほか、移植対策費はあっせん業務従事者を増員するとして人件費を増額し、7.7%増の28億円を計上した。

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2009年12月10日木曜日

東レと国立感染研が培養細胞由来C型肝炎ワクチンの効果と最適アジュバントを検証

東レ医薬研究所の森山正樹氏と国立感染研究所ウイルス第2部の脇田隆字氏らは、09年10月の日本ウイルス学会で培養細胞由来HCV粒子を用いたワクチンの免疫誘導能および最適アジュバントを検証した結果を発表した。

このHCVワクチンは、ジェノタイプ2aであるJ6/JFH-1キメラHCVをHuh-7細胞に感染させて、その培養上清からHCV粒子を大量に調製したものである。

~以下抄録から抜粋~

第57回日本ウイルス学会学術集会、2009年10月25日~27日、都市センターホテル

培養細胞由来HCV粒子を用いたワクチンの免疫誘導能および最適アジュバントの検討

森山正樹1,2、赤澤大輔1,2、尾見法昭1、中村紀子1、鈴木哲朗2、石井孝司2、脇田隆字2

1東レ株式会社医薬研究所、
2国立感染症研究所ウイルス第二部

【目的・意義】
C型肝炎ウイルス(HCV)はC型肝炎の原因ウイルスである。HCVが感染すると持続感染化してHCVキャリアとなり、慢性肝炎、肝硬変から肝癌に至る肝疾患を引き起こす。現在、ペグ化インターフェロンとリバビリンの併用療法が、C型肝炎治療の主流となっているが、遺伝子型1bのHCVを高ウイルス量保有する患者に対しては60%程度の有効性であり、現在の治療法に代わるあるいは併用効果のある新規治療薬の開発が望まれている。今回、我々はHCVワクチンの開発を目指し、培養細胞由来のHCV粒子を免疫抗原として、マウスにおけるワクチンの免疫誘導能を評価するとともに、種々のアジュバントについて有効性を検討した。

【材料・方法】
遺伝子型2aであるJ6/JFH-1キメラHCVをHuh-7細胞に感染させて、その培養上清からHCV粒子を大量に調製した。排除分子量500kDaの限外濾過膜を用いて培養上清の濃縮およびダイアフィルトレーションを行った後、ショ糖密度勾配超遠心法で分画することでマウス免疫用の精製HCV粒子を調製した。5週齢の雌性BALB/cマウス(n=5)にコアタンパク質量2pmoLのHCV粒子をAlum、CpG、poly I:CおよびSigma Adjuvant System(MPL+TDM)をアジュバントとして2週間毎に4回腹腔内投与した。免疫後のマウス血清を採取してHCVエンベロープタンパク質(E1/E2)に対する抗体価と、in vitroでのHuh-7細胞に対するHCVccの感染中和活性を調べた。

【結果・考察】
排除分子量500kbaの限外濾過膜による濃縮とショ糖密度勾配遠心法とを組み合わせることにより、高い精製度のHCV粒子が効率よく調製された。精製HCV粒子をマウスに免疫した結果、血清中に抗E1およびE2抗体の誘導が認められた。またHCV粒子を免疫したマウスの血清にはHCVccに対する感染中和活性が確認された。血清中の抗体価は、Alum、poly I:CおよびSigma Adjuvant Systemで高く、CpGを用いた場合では低い値となった。以上から、精製HCV粒子は免疫誘導能を有しており、最適なアジュバントと組み合わせることで、HCVワクチンとして使用できる可能性が示された。
 本研究は東レ株式会社医薬研究所、望月英典、西村和美、渋谷悠子との共同研究である。

2009年12月4日金曜日

肝炎治療戦略会議が核酸アナログ製剤の有効性・安全性認める

厚労省の肝炎治療戦略会議は09年11月18日、B型慢性肝疾患患者への核酸アナログ製剤治療やC型慢性肝疾患患者へのインターフェロン複数回治療について、有効性と安全性に問題はないとする見解をまとめた。

B型慢性肝疾患患者に対する核酸アナログ製剤治療は、有効性と安全性の観点から極めて効果的であるとし、同製剤の投与を推進することは政策的にも有効と指摘した。一方で、患者が自己判断で投与を中止しないように十分指導することや、B型慢性肝疾患治療の知識と経験がある医師が使用することが必要とした。

また、インターフェロン単独で治療したり、治療の終了後に再燃したりしたC型慢性肝疾患患者には、インターフェロンによる再治療の効果が期待できるとし、初回治療の結果や内容によっては、再治療を推進することは政策的にも有効と結論付けた。
一方、インターフェロン少量長期投与による発がん抑制効果については、欧米と日本での治療期間や対象年齢の違いなどから一定の見解が得られていないとして、有効性の評価にはさらなるデータ収集が必要とした。厚労省は今後、見解を基に、2010年度予算の概算要求で事項要求となっている肝炎対策について、医療費助成も含めて検討する。

2009年11月17日火曜日

C型肝炎治療剤ボセプレビルが第Ⅱ相試験で反応性依存的治療期間決定法を支持する結果

 Schering-Plough社は09年11月1日、未治療C型肝炎ウイルス(HCV)感染患者が参加した第Ⅱ相SPRINT-1試験のレトロスペクティブ解析の結果、短期の標準治療(ペグインターフェロンα-2bとリバビリン)の効果に応じてHCVプロテアーゼ阻害剤boceprevirの併用期間を決める治療戦略の妥当性を支持する結果が得られたと発表した。

 この解析結果はAmerican Association for the Study of Liver Diseases(AASLD)で発表された。承認申請に向けたboceprevirのフェーズ3が進行中であり、これらの試験は2010年中旬に完了する見込み。

Schering-Plough Press Release(2009.11.1)
http://www.schering-plough.co.jp/press/index.html

米イデニクス社がC型肝炎治療剤IDX184の新提携先を検討

 米Idenix Pharmaceuticals社は09年10月29日、C型肝炎ウイルス(HCV)感染治療薬候補IDX184(2'-メチルグアノシンヌクレオチドのプロドラッグ)のライセンスオプションをNovartis社が行使しなかったと発表した。

 このオプション非行使により、Idenix社はIDX184の権利を保持することになる。Idenix社はIDX184の開発を続け、パートナーを探していくと述べている。

Idenix Pharmaceuticals Press Release(2009.10.29)

2009年11月3日火曜日

C型肝炎治療薬に併用治療の効能追加

 国会でも肝炎対策(民主党政権になってから、患者の自己負担額が一律1万円になる見通し)の議題が挙げられていますが、今回、既存の治療以外にも新たな治療の選択肢がつくられたようです。これまでの治療には効きにくい、もしくは副作用によって治療を断念した患者さんには朗報かもしれませんね。
■東レは第一三共と共同で開発・販売するC型肝炎の治療に使うインターフェロン製剤「フエロン」について、抗ウイルス薬「リバビリン」と併用する効能の追加を取得した。現在C型肝炎の治療ではインターフェロン製剤とリバビリンの併用が主流となっており、効能追加で販売増を目指す。
 フエロンはベータ製剤と呼ぶ型のインターフェロン製剤。1990年代前半からC型肝炎の治療薬として販売してきた。リバビリンとの併用はベータ製剤としては初めてという。
 インターフェロン単独では効果が表れない患者などへ投与する。単独投与の場合よりも効果が高くなるとされ、既存の併用薬に比べ副作用が少なくなる効果も期待している。
 C型肝炎の患者数は国内で200万人ともいわれており、投薬治療の効果が低い患者も少なくない。効能追加で薬を使う患者数の増加を狙う。(2009/10/20 日経産業新聞)

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