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2010年2月4日木曜日

デンマーク・サンタリス社のmicroRNAを標的とするSPC3649がC型肝炎チンパンジー試験で有望な結果

 デンマークSantaris Pharma社は09年12月4日、microRNAを標的とする革新的なC型肝炎治療剤SPC3649をチンパンジーに投与した試験結果を09年12月3日のScience誌のオンライン版に掲載したと発表した。

 SPC3649投与により、肝臓や血中のウイルス量を約350倍まで低減する効果が見られ、副作用はなかった。SPC3649は、Santaris Pharma社が専有のLocked Nucleic Acid(LNA)技術によって開発した。肝臓で発現されるmicroRNAでHCVの複製に重要な役割を果たすmiR-122を阻害する作用を持つ。
 
 今回の前臨床研究で、SPC3649はHCVに慢性感染したチンパンジーの肝臓と血流中のHCVを大幅に低減することを示した。同研究では、HCV慢性感染チンパンジー4頭を対象に、無治療の17週間の後、SPC3649 5mgまたは1mg/kgを週1回、12週間投与した。5mg/kgを投与した2頭は、血液と肝臓のHCVレベルが約2.5桁小さくなり、約350倍まで大幅に低減した。

 HCVの現行治療であるPEG化インターフェロンαとリバビリンの併用治療は、患者の全体の約50%程度しか効果が認められず、時には重大な副作用を引き起こすこともある。SPC3649は独自の作用メカニズムとすぐれた忍容特性を持っており、インターフェロン治療の代替となる可能性、あるいは現行治療と併用できる可能性がある。

 SPC3649による治療を受けたチンパンジーでは、最高数ヵ月間持続的な有効性が見られ、副作用もなく、ウイルスの回復や耐性も見られなかった。これはSPC3649の重要な特性で、直接作用型の抗ウイルスHCV治療薬と明らかに異なる。
現行の抗ウイルス治療はウイルスを直接標的とするが、HCVが変異により治療耐性を持つという問題を抱えている。SPC3649はHCV複製に関わる重要なmiR-122を阻害するため、HCVが耐性変異株であるかどうかに関わらず複製プロセスを遮断する。その他にも、前臨床データでは重要な遺伝子の発現の変化が見られ、インターフェロンに反応しなかった患者が反応するようになる可能性があるという。SPC3649はmicroRNAを標的とする薬剤として臨床入りした初めての薬剤で、現在、健常人対象のフェーズ1試験が行われている。

 世界保健機関(WHO)によると、世界人口の約3%がC型肝炎ウイルス(HCV)に感染しており、1億7000万人以上が肝硬変や肝臓癌を発症するリスクを慢性的に抱えているという。米では約300万から400万人がHCVに慢性感染しており、毎年4万人が新たに感染している。欧には約400万人が感染している。

Santaris Pharma Press Release(2009.12.4)

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