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2010年3月13日土曜日

田辺三菱製薬のHCVプロテアーゼ阻害剤テラプレビルの国内外の臨床結果

田辺三菱製薬開発本部の山田一麻呂氏と虎の門病院の熊田博光氏は、09年11月のBIO Clinica(24巻13号1177頁)でC型肝炎治療剤テラプレビルの国内外での臨床試験を概説されていましたので、紹介します。


~以下、記事の内容を抜粋~
テラプレビル(MP-424/VX-950)は、C型肝炎ウイルス(HCV)の増殖に関与しているNS3-4Aプロテアーゼを直接阻害する新規な抗ウイルス剤である。
現在、日米欧の3極でフェーズ3試験が進行中であり、10年度までには全ての臨床試験が終了予定である。
いずれも、ペグインターフェロン(PEG-IFN)とリバビリン(RBV)との3剤併用試験であり、標準療法のPEG-IFN/RBVの2剤併用療法に比べて高い有効率と治療期間の短縮化が期待される。
C型慢性肝炎患者(ジェノタイプ1b型高ウイルス量、年齢36~65歳)20例を対象としたフェーズ1b試験は、日本人を対象とした3剤併用投与(テラプレビル/PEG-IFNα-2b/RBV)による最初の臨床試験であり、薬物動態、安全性、HCV RNA動態の検討を主目的とした。

試験には、treatment naiveの被験者が10例、IFNのノンレスポンダーが6例、PEG-IFN/RBVのノンレスポンダーが4例それぞれ登録された。
投与期間は12週間に設定された。
投与開始2週間後のHCV RNA量は、ノンレスポンダーの被験者が10例登録されているにもかかわらず、50%(20例中10例)の被験者で検出限界未満(1.2Log IU/mL)になった。
投与開始4週間後のHCV RNA量は、79%(19例中15例)の被験者で検出限界未満であった。
また、被験者の背景因子(過去の治療歴、コア領域の70番と91番のアミノ酸変異、ISDRの変異)は投与開始2週間までのHCV RNA減少に影響を与えなかった。

驚くべきことに4例のノンレスポンダーのうち3例は投与開始4週間後までに陰性化し、残りの1例は8週間後に陰性化した。
有害事象による中止率は35%(20例中7例)であり、5例はヘモグロビンの減少(8.5g/dL未満)によるものであった。
安全性については、発疹等の皮膚症状のみならず貧血の管理についても十分に留意する必要がある。
現在、日本ではtreatment naive、relapser、ノンレスポンダー症例における有効性と安全性のデータが蓄積されつつある。

今後の臨床試験の進展に期待するとともに、3剤併用療法の臨床現場における有用性を最大化するために、有効性と安全性の予測因子の解明が望まれる。

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